2018年5月 剣友会だより

もう6月ですが、剣友会だより5月です。
いよいよ7月の演武会の日程も決まり、今は通常の稽古ではなく、演武の練習が主体になっています。
演武に出られる会員の皆さん、熱心に練習していますので本番が楽しみです。

さて、大阪剣友会では居合・抜刀術の他に剣術の稽古も行われています。
仮想敵に対しての型稽古が主体の居合や抜刀術では会得する事が難しい敵との間合や呼吸、お互いの力の強さや方向を感じる事等を学ぶ為にも、剣術の稽古は重要であると思います。

特に「間合」については、相手と自分との空間的な距離間隔というばかりでなく、さらに深い意味の心との間合という形に現れない微妙なものがあります。「一足一刀の間合」はひとつしかないにもかかわらず、互いに遠近の差が感じられるのはなんとも不思議に思われます。
そこで「間合」についての一刀流の「敵より遠く、我より近く」という教えを紹介したいと思います。

三、遠近之事
相手を己より遠く離し、吾れには容易に近寄れず届かぬようにしておきながら、己は相手に近くあって立ち所に切り突く事ができるようにする事が心得である。彼我は同じ距離であるのにどうしてそんな差ができるのか、それは体と心の持ち方によるのである。つまり彼我の心の働きによって、近きに遠きあり、遠きに近きがある。同じ距離が近くなったり遠くなったりするのである。「一刀流兵法十二ヶ条目録」

剣術だけでなく居合や抜刀術を学ぶ者として、「間合」の持つこの相対性を十分に身につけ理解する事は必要不可欠といえるでしょう。

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大阪剣友会
事務局
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